経済産業省のアンケート結果によると、住宅設備の満足度と重視度が必ずしも一致しないことがよくわかる。例えば、「キッチンの使いやすさ」や「室内の明るさ、日当たり」など住環境の基本となる項目は、重視しているうえに満足度も高い。一方、重視しているにもかかわらず、満足度の低いものが「間取りの使いやすさ」や「収納スペースの全体の広さ」などだ。今回HomePlazaは、満足度が低い4項目を、陥りやすい失敗の紹介とともに、まとめてみた。住み始めてから後悔しないために、事前に参考にしてもらいたい。
【右表】経済産業省「平成18年度住宅・住宅設備に関するCSアンケート調査結果」より抜粋
お隣の換気扇がうちのリビングに近く、時間どきになると、炒め物や焼き魚のにおいが漂ってきます。自宅だけではなく、隣家との間取りの兼ね合いも考慮に入れておかなければならなかったと後悔。(滋賀県・Sさん)
マンションでも、キッチンに勝手口がついているタイプを選べばよかった。ゴミの仮置きや、臭うものを外においておきたい場合にとても不便。(石川県・Mさん)
スペースの関係で、キッチンと浴室が別の階になってしまいました。同じフロアなら、料理しながら同時に洗濯が出来たのに......。(東京都・Iさん)
実物を確認できるのが一番ベスト。けれども、現実は難しい場合が多いもの。そこで、普段の動線を思い出してみて整理しておきましょう。部屋から部屋へどう動くか、朝の忙しい時にスムーズに動けるか、時間帯別や来客時なども想定してください。最近は「P・P分離」と呼ばれるパブリックスペースと、プライベートスペースを分離した間取りも増えてきたので、これを意識するのもいいでしょう。家族構成の変化も見越して、5年後、10年後に対応できるプランニングを選ぶのも大切です。
背が低いので、キッチンの収納スペースは背伸びしないと届かない。使いにくいから、高い所はスライド式に降ろせる方がよかったな。(埼玉県・Tさん)
ウォークインクロゼットに憧れてましたが、実際使ってみると、自分が歩くスペースの分だけ収納力が落ちることに気づきました。(東京都・Aさん)
造りつけの収納棚があり、それを活用しようと思っていましたが、奥行きが足りず、モノがはみ出してしまいます。見た目も汚いし、せめて45センチあったら......(千葉県・Sさん)
思わぬデッドスペースが生まれやすいのが収納です。場所に応じた適切なサイズかどうかも見極めポイント。出し入れしやすい奥行きや幅、高さかどうか、しっかり押さえておきましょう。また、使う場所の近くに収納スペースも備わっていると、片付けが面倒にならず、"出しっぱなし"なんてこともなくなります。ロフト付き物件については、「たっぷりしまえて重宝する」という意見と、「モノがどんどん増えそう」の賛否両論に分かれましたが、そもそも収納量が足りないのは論外。下記のDATAを参考に、ライフスタイルにあった収納を選んでください。
ある調査によると、収納部分に関する満足度は「たいへん満足」「やや満足」が合わせて56.1%、「たいへん不満」「やや不満」が43.9%と、満足している割合が半数を超える結果となった。ただし、広さ別にみていくと、2畳未満ではおよそ8割、2~4畳では6割が不満を感じていることが判明。一方で、4畳以上になると、およそ6割が満足を感じており、4畳を境目に、"満足"と"不満足"が逆転することがわかった。
テレビまわりに3口コンセントがあるけど、数が足りない。ビデオ、パソコン、電話機、ゲーム機、ケーブルテレビのアダプター...。(千葉県・Kさん)
室内だけに目が向いていましたが、外にもコンセントが必要だったと痛感。芝刈り機、車の掃除など、その度に延長コードが必要で、面倒くさいです。(奈良県・Yさん)
子どもと荷物を抱えて帰宅した時なんかは、玄関が暗くスイッチを探すのに苦労します。人感センサーにしておけば、手が塞がっている時でも照明がつくのに、と友人に言われて気付きました。(東京都・Iさん)
失敗談として一番多いのが、コンセントの数が足りなかったというもの。家電製品が集まるリビングやキッチンは、多めに用意されているかチェックしましょう。扇風機や加湿器などの季節家電、ジューサーやハンドミキサーなど、普段は使わないものでも電源が確保されていると便利です。また、動線上に配置されているかは、必ずチェックしてください。スイッチも同様ですが、毎日使うものなので、ここを妥協すると不満が残ることになります。なお、コンセントは用途によって、高さを変えるのがコツです。
マンションは気密性が高いことを忘れていました。夏になると生ゴミ臭がリビングまで漂い、結局、生ゴミ処理機を買うことに。(埼玉県・Nさん)
ガレージが車2台分あるかわりに、庭がありません。芝生(緑)がなく、コンクリートなので、冬は日が当たると暖かいけど、夏はとにかく暑いです!(大阪府・Kさん)
"明かり取り"という点だけで窓を判断していて、風の流れの動線を考えていませんでした。おかげで猛暑を乗り切るのが辛かった~。(東京都・Oさん)
いくら予測していても、実際に体感しないとわからないのが季節に伴う満足・不満足。日当たりや風通しのよさなどは、実物をチェックしても限度があります。ただし、漠然としたイメージしかもたず、最初から対策できた部分のチェックを怠るのとは話が別! 夏場・冬場・梅雨の時期などを想定し、イメージをどれだけ膨らませられるか、平面図や断面図、販売員から情報からをどれだけ引き出せるかでしょう。窓は、引き違い窓や出窓・擦りガラスなど、形状や素材を工夫するのも手法のひとつ。採光や通風を考えて作ったのに、外からの視線が気になって、カーテン閉めっぱなしやブラインドを下ろしっぱなしなんてことのないように。
上記の4点のほかには、駐車場に対する不満も多くみられる。例えば、住宅金融支援機構の調査によると、駐車場設置率が100%未満では「不満足」だと感じる割合が半数を超え、反対に100%以上では「満足」する割合が半数を超える結果となった。また、遮音性に対する満足度も上階・屋外から伝わる音に対しては「多少不満」「たいへん不満」が1/3以上あり、この点にも気を配りたい。採光の面では、実際に暮らし始めてから、昼間でもこんなに暗いのかという意見もあり、間取図や写真だけでは推し量れない要素は大きい。